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May 16, 2018

ナラタージュ未公開映像

ナラタージュの未公開映像とメイキングを見ました。

以下ネタバレがあります。


未公開映像のいくつかを見ることで、
監督が、どういう映画を創りたかったのか、
さらに、少しわかるような気がしました。

大きなポイントは二つ。

泉が、葉山先生の家に泊まった日の夜から、
翌日にかけての映像が、
バッサリカットされていましたね。

泉が葉山先生を誘ったのに、
葉山先生は、おやすみと言って、
誘いに乗らなかった。

二人で、焼いたトーストを食べた。

二人でドライブに出かけた。

これらの映像は、
現実に起きたこと、行動したことが、
そのまま描かれていて、
わかりやすい。

でも、代わりに本編に流れたのは、
葉山先生が、ソファーに横たわって、
映画『エル・ス―ル』のビデオを見ているところ。

『エル・スール』に何か意味があるんだろうなあ・・・
とは思うけれど、
何を表現したかったのかわからない。

今、カットされた映像と見比べて思うことは、
泉が、初めて自分の家に泊まるという一大事な日なのに、

葉山先生の心は、
泉ではなく、映画『エル・ス―ル』の世界にあった。

父親と娘が一緒に踊る幸せなシーンが映し出されていましたが、
この父親は、のちに娘を捨てて、別の女性のところに出ていった。

今の泉との幸せな時間も、
いつかは、自分が泉と別れるだろうと、
潜在意識が思っていたということでしょうか。

監督は、泉と一緒に朝食をとったり、
一度っきりのドライブデートよりも、
葉山先生が、自分ひとりの世界を優先したということを
描きたかったのかも。


また、未公開映像には、
母親がガンの手術をしたばかりだったのに、
1人にするわけにはいかなかったから、
妻と母との同居を望んだことが描かれていましたね。

このセリフが本編にあれば、
わかりやすかったけれど、
葉山先生の身勝手さが浮き彫りになったと思う。

なぜ、母との同居が、
家に火をつけるほど妻を追い詰めたかは、

妻の気持ちよりも、
母親を優先する夫への絶望だったように思う。

泉が葉山先生の家に初めて泊まったときのことも、
葉山先生の奥さんと母親との関係も、
わかりにくくあいまいにすることで、

この映画が、泉の回想で、
ぼんやりした幻影のような雰囲気を作りだしていると思う。

冷めた眼でみれば、
身勝手な男に振り回されただけのことだけど、

幻のような美しい思い出になっているということでしょうか。

映画はビジネスで、
黒字にしなくては、次の映画が作れない。

もっと多くの人にわかりやすい映画を作った方が、
動員数も多くできるかもしれないけれど、

松本潤という、お金を払うファンをたくさん持っているスターを
主演にできたことで、

監督の意図を必死に理解しようとする
コアな観客向けの映画を創ってみたかったのかなと思う。

公開後に未公開映像付きのDVDも販売するという前提で。。。

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