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December 07, 2017

登場した映画の意味(ナラタージュ)

映画『ナラタージュ』に、いくつもの映画が出てきますが、
行定監督は、何故この映画を、この場面に登場させたかが、
ずっと気になっていました。

これを解明しない限り、映画『ナラタージュ』は理解できないと。

ですから、『隣の女』『エル・スール』『浮雲』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を
DVDで観てから、
4回目を観に行こうと思っていたんです。

でも、余裕がなくて、
結局、ネットでそれぞれのあらすじを読んでから、
最後のナラタージュを観てきました。

そして、思ったこと。
行定監督は、深さに応じて、
3つのレベルで観ることができる映画を作ったのではないかと。

表面的に見ると、
煮え切らない教師と、エゴの塊りの若い男との間で揺れる三角関係の話。

さらに深く見ると、
それぞれの心情に共感して、人間のどうしようもなさと、最後の救い。

そして、3番目の見方は、
登場した複数の映画が、『ナラタージュ』の隠された骨格ではないかということ。

<以下、『隣の女』『エル・スール』『浮雲』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の
ネタバレを含みます>


なにが驚いたって、大学生になって再び葉山先生の研究室に行って、
最近、観た映画ということで、
二人とも大好き!と、
あんなに嬉しそうに盛り上がっていた『隣の女』が、

不倫の果ての悲劇で、
しかも、最後のラブシーン中の悲劇だったこと。

葉山先生とのことで、一人で悩んでいた泉が見た映画は、
『浮雲』。

美してエロイけど、クズな男と、別れられない二人。
(主演の森雅之さんは、キネマ旬報が行なった「日本映画オールタイム・ベストテン」の「男優部門」で第1位。
行定監督は、潤くんを第2の森雅之と思っているのかなと思ったりして。。。)

切り取ったシーンは、あてどもなく彷徨う二人でしたね。
この映画も最後は、悲劇。

『エル・ス―ル』は、父を慕う娘の話で、
感情が爆発した泉と葉山先生が
風呂場でもみ合った後に、
ずっとDVDをつけていたのが、『エル・スール』。

父親と娘が一緒に踊る幸せなシーンが映し出されていましたが、
この映画も、最後は悲劇。

葉山先生の父親は出ていったとのことですが、
この娘と自分を重ね合わせていたのでしょうか?

『エル・スール』の父親は、かつての恋人が忘れられなかったようですが、
葉山先生の父親も、別の女性のところに行ったのでしょうか?

そんな父親から捨てられたような感じだったから、
葉山先生は、結婚しても、母親との同居を望み、
母親と葉山先生との特別な関係が、妻には耐え難かったのかも・・・
などと想像します。

そして、子供はいなくても、葉山先生が泉の元に行けば、
父親と同じ道を選択したことになる。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』も、
盲目の息子を救うために犠牲になった母親の話。

鬱な映画の代表にあげられるこの映画のDVDを、
妻が持っていて、それを葉山先生がとっていた。

この映画も最後は悲劇だけど、
葉山先生の奥さんにとっては、
大事な人(葉山先生)のために、
自らを犠牲にしたと思っているのかもしれない。

葉山先生と、その父親と母親、そして奥さん。
この人たちの過去に何があったかわからないけれど、
『エル・スール』と『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が、
暗示しているのかもしれない。

この4つの映画は、すべて悲劇で終わっているんですね。

そして、そういう映画にときめく泉と葉山先生。

悲劇の映画で結びついていた二人。

葉山先生は、このままいけば、二人とも不幸になると思ったのかも。

自分が救おうとした女性は、
結局、みな不幸にしてしまう。

柚子ちゃんのように。

だから、せめて泉にだけは幸せになってほしいと、
身を引いたのではないかと思う。

そう思うと、電車を見送る葉山先生の哀しみが、
さらに胸をうつ。

そして、懐中時計の「幸せであるように」というポルトガル語の文字が、
葉山先生の泉への真実であると確信してしまいます。



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