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November 15, 2017

人間はエゴの塊り

葉山先生が、卒業式の後、
泉にキスしたことに、
ずっと違和感を持っていました。

泉の窮地を救ったはずの葉山先生が、
卒業後とはいえ、
学校内で教師が生徒にキスしているのを誰かが見て、
それが広まってしまったら、
さらに泉を窮地に陥れるのに。。。

監督は、たくさんのシーンを削ったのに、
なぜ、この教師にあるまじき行為を残したのだろうかと。

昨日、3回目を観てきて思うのは、
行定監督は、人間のエゴを描きたかったのではないかと思い始めました。

小野くんのエゴは、すごくわかりやすいし、
あの靴は、彼のエゴの象徴だと思うのです。

自分のエゴ(靴)に泉を押し込めておきたかったのでしょう。

一方、卒業式のキスは、葉山先生のエゴの象徴かなと。

卒業したら、もう泉に会えないし、
妻のことがあるから、
泉と積極的に付き合うことはできない。

口では、もう自分とは関わらず、自分の道を探した方がいいようなことを言いながら、
本音では、泉を失いたくないし、
ずっと自分のことを思い続けてほしい。

それが、あのキスになってしまったのかなと。

葉山先生から、奥さんとは別れたと聞いていた泉は、
あのキスのせいで、
ずっと葉山先生に縛られてしまう。

なのに、演劇部の人数が足りないことを理由に再び呼び出されるまで、
ほっておかれた。

それが、泉の怒りや苛立ちになり、
葉山先生のエゴに振り回されてしまった。

人間だれしもエゴの塊りだけど、
誰かを好きになると、
それが増幅して、
自分でコントロールできないようになるんですね。

例えば、ファンは、好きな人に結婚してほしくないし、
他のファンの、自分とは違う感想が許せなくなってしまったりする。

葉山先生の奥さんの親は、
家に火をつけたのは、自分の娘なのに、
葉山先生を責め、

娘が笑顔になるならと、
今度は、娘とやり直してほしいと言う。

まさに親の肥大化したエゴですね。

人間は、なかなか変われないから、
あの親がついた奥さんとやり直すのは、
たいへんなことだと思う。

なのに、葉山先生は、泉と別れ、
奥さんとやり直す方を選んだ。

つまり、泉を失いたくないというエゴを捨てたんですね。

人間はエゴの塊りだから、
一番大事なエゴを捨てるというのは、
こんなに辛いことはない。

だからこそ、電車を見送る葉山先生の姿や、
泉に渡した懐中時計の「幸せであるように」という言葉に、
葉山先生の辛さがこめられているように感じ、
胸に迫ってくるんでしょうね。

そして、葉山先生が捨てたエゴ(泉への思い)の行き場がなくなったため、
その後の二人のことをあれやこれや想像して、
いつまでも余韻を引きずるのではないかと思います。

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