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December 13, 2013

『最期の131日』

勘〇郎さんの奥様が書かれたこの本、
テレビのようにきれいごとが書かれているんだろうなあと思い、
まったく読むつもりがありませんでした。
でも、書店でパラパラ見たら、正直な気持ちが赤裸々に書かれていて、
潤くんが家族のようにお付き合いされていた方たちがどんな人なのか知りたくて、
購入して、あっという間に読みました。

夫の恋を巡っての、流血騒ぎになるほどの喧嘩がしょっちゅうあったそうで、
共感して読みました。

でも、共感すればするほど、手術から亡くなるまでの記述は、
どこにぶつけたらいいのかわからない怒りがこみあげてきて、
どうしようもありません。

結論から言えば、する必要のない手術が原因で命を落としたことになります。
奥さんやまわりの人たちは、手術しないでいいのではないかと言うのですが、
本人が、手術すれば12月の顔見世に出て、息子の襲名の口上を述べられるかもしれないという医師の言葉に賭けたんですね。

奥様は、手術とその後の処置の不適切さから、最初の担当医に会いたくなくて、
その気持ちは、私は当然だと思うのですが、
長男がそういう母親をいさめるんですね。
悪く言っちゃダメだ。感謝しなくてはダメだと。
そして、もはや絶望的な状況だったのに、長男・次男がそろって、生体肺移植の提供を決めるんです。
結局、脳内出血で肺移植はできなくなるんですが、もし、脳内出血がなかったら、息子さんたちは肺を提供したのでしょうか。
家族が皆いい人で、立派で、医師や病院を信頼して。。。

でも、生きている人間の体がまるで機械のように次々と最新の治療を施されていく様子は、
リアルであればあるほど、違うんじゃないのと思ってしまいます。

私、人間を信用していないんです。
誰だってミスをするし、判断が狂うときがあります。
それでも、ほとんどのことは、修正が可能ですが、
命がかかると、一瞬の判断ミスが取り返しがつかないことになります。

もし、こんなドジな自分が医者だったら・・・とか、
医者になった同級生たちの顔を思い浮かべると、たった一つしかない命を預ける気にはなれません。

勘〇郎さん一家にしても、お客様からお金をいただいて芝居を見続けてもらうためには、
ものすごいハイレベルな芸の精進が必要で、
ほとんどのプロフェッショナルは、そういう厳しさの中で闘っているわけだから、
高名な医師たちもそうだろうと思われるのかもしれませんが、
結果責任を問われないのが、医療の世界。

そういう本質的なことを思えば、自分の命は自分で守るしかないと腹をくくるしかないんですよ。

中村屋の大看板を背負った一家と、大病院のメンツを背負った医師団の間で、
偉大な才能と、誰からも愛されたたった一つの命が消えていってしまう様子は、
ボタンの掛け違いの怖さをこれでもかと痛感させられます。


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