« 舞台【あゝ、荒野】感想④ | Main | FNS歌謡祭 »

December 07, 2011

舞台【あゝ、荒野】感想⑤

新次は、たくさんの人たちにとって救世主だと思うのです。

母親を殺し、様々な男たちと関係を持ってきた芳子にとっては、
心身ともに喜びと幸せを与えてくれ、
自分だけを愛し、一生を共にしてくれる、唯一の男。

他人と会話ができず、孤独なバリカンにとっては、
唯一心を通わせ、父親とも思え、
死を持ってすらも希望を与えてくれる存在。

片目のコーチにとっては、自分の夢を実現してくれる存在。

松本潤にとっては、アイドルの裏に隠された欲望を表に出すことで、
計り知れない奥行きと魔力を持つ俳優であり、
その肉体と声とセリフから、信頼に足る本物の俳優であることを証明させてくれた存在。

観劇する者たちにとっては、
絶対的な憧れの対象を持つことが生きる励みになり、困難を克服させると痛感させてくれた存在。

そして、人の心を深くえぐる本気のエンターテイメントを創りたいと思っている人たちにとっては、
一緒に仕事をしたいと切望する、代替不可能な俳優に出会わせてくれた存在だと思うのです。

救世主たりえるには、辛酸をなめ、
人の心の裏表を知りつくし、
それでも己に打ち克ち、
「おまえは誰だ?」と問われれば、
深く傷ついた思いを刻み込みながら鍛え上げた肉体を指して、
「この肉体が俺だ!」と答える自信があればこそと思うのです。
そこが、新次と潤くんがダブって見える所以かもしれません。

このような新宿新次を、
現代の世によみがえらせてくれた蜷川さんと潤くんとキャストとスタッフに、
深く深く感謝いたします。

|

« 舞台【あゝ、荒野】感想④ | Main | FNS歌謡祭 »