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November 29, 2011

舞台【あゝ、荒野】感想③

なぜ私がこんなに結末にこだわったか?

それは、セックスは日常行為であり、売春もあの時代の少し前までは合法だったことですが、
ボクシングを通しての殺人は、美化してはならないものだと思うし、
もし、DVD化されたり、再演を重ねて、多くの人たちにとってポピュラーな演目になったとき、
論議の的になる可能性があると思ったからです。
『あしたのジョー』は、最後、死んだかどうかわからないという想像に委ねる終わり方をしていますが、
『あゝ、荒野』は、殺し殺されることを否定していません。

この作品をフィクションとして、アリと思ってもらえるためには、
膨大な知恵とエネルギーが必要で、
ラストシーンを美しい音楽と、美しい肉体が優雅に踊るがごとくのスローモーションで、
観客を拳闘の興奮の陶酔へと誘い込み、エンターテイメント作品にしています。
生とは何か? 死とは何か?
永遠の問いかけを観客の脳裏に刻み込み、反芻し続けざるをえないことで、
新次とバリカンの物語がずっと記憶に残ってもらえるということかもしれません。

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