« 皮膚と心 | Main | ある弁護士の話 »

June 20, 2009

林の母親は卑怯

もし、林が誰かを殺した被告だったとしたら、
林の母親は、子供の時の絵を持ってきて、息子を救おうとするだろうか?
おそらくそんなことはしないだろう。
手に入れた新しい家庭と自分を守るために拒否するだろう。
林が殺されたから安心して証言者として出てきたのだと思う。
自分の証言が、裁判員にどんな心理的影響があるかもわかっているだろうに、
悲劇の母親を演じる。

息子を置いて家を出れば、その後、その息子がどんな目に会うかわかっていただろうし、
悪の道に入り、よそ様に多大な迷惑をかけ始めたのを知ったなら、
体を張ってでもそれを阻止するのが親というものだと思う。
でも、彼女は逃げただけ。
なのに、被告を追い詰めるためだけに、突然母親として出てくる。

一見被害者顔した可哀そうな人が、実は一番の加害者であるという典型ですね。
表現の仕方は違っても、心のねじれ具合が、この親にしてこの子ありだと思う。
でも、まともな親に育てられた経験のないビトには、この母親のずるさが見えない。
幼い頃から、ひたすら愛して抱きしめてくれる親がいなかったビトの悲劇。
ああ~。。。

ところで、ビトが白く咲いた花を見て涙する場面。
私は、あの白い花は、花だと思って泣いているのだと思いました。
花は、ビトにとって生の象徴。希望のしるし。
その花が一人でたくましく清らかに咲いている。
その美しさを見て、自分の死を決意したと思うのです。
もう自分は花を守ってやることはできない。
でも、花はこの白い花のように凛として生き続けるだろう・・・と。
自分の生を諦めた瞬間であり、
花へのいとおしさが極限に達した瞬間でもあると思いました。

松本潤は俳優としての”ある壁”を、今回の10話で越えた!と思いました。
演じるとかいう、そういう仕事レベルではなく、
『スマイル』の世界に全身全霊を没入させて、
人間として別次元の世界に行ってしまったような。。。

彼には、”上手い”とかいう言葉は似合わない。
魂の奥底でおののき、叫び、おびえ、泣く。
それが外に溢れだして様々な表情となり、別人として目の前に存在するようになる。
その瞬間に立ち会えて、感激です。

|

« 皮膚と心 | Main | ある弁護士の話 »