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June 17, 2009

皮膚と心

このドラマで私が一番印象的なビトの表情は、
例えば、花とのキスの前などに正面を向いて、
花から愛されていると確信したときの、まるで子供が母親から自尊心を満たしてもらえたようなふくよかな表情なんです。
この表情が、このドラマで何度か出てくるんですが、
他のドラマや素の松本潤では見たことがない初めての表情です。
潤くんのドラマの楽しみの一つは、今まで見たことがない表情に出会うことですから、そういう意味で一つの成功だと思います。

母親からネグレクトされて育ったビトが、ようやくまるごと受け入れてくれる花に出会って、でも殺人を犯してしまって、離れたくなくて手を強く握りしめ続けている二人。
二人で一つの魂を共有していると思えるほどでした。
でも、警察によって引き離され、
ガラス越しで触ることができない指きり。
どんなに触れ合って、体温を感じたかったことでしょう。
肌と肌が触れ合うことは心が触れ合うこと。
愛する人の手が体の痛いところにあててくれるだけで、痛みが和らいだり、気持ちが落ち着いたりは、私たちでも体験すること。

そういう人にやっと出会えたのに、引き裂かれてしまったビト。
ビトの母親は今頃、どこで何をしているのでしょう?
息子のニュースを目にすることはないのでしょうか?

出所して電話をしてきたのに拒絶した林の母親。
でも裁判で、息子を殺して欲しくなかったと涙で訴える。
自分の体から生れ、お乳を飲ませ、抱いたことのある息子は、
理屈ではなく、肌と肌が触れ合いたい本能が渇望する存在なのかもしれません。

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