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June 07, 2009

運の強いドラマ

足利事件の佐藤弁護士が、「なぜ菅家さんが無実だと思ったのですか?」と聞かれ、
「彼を知れば知るほど、幼女に対する異常性欲者であるはずがないと確信したから」
と答え、そして、
「警察は逮捕まで1年にわたって尾行して、彼がそういう人でないことはわかっていたはずなのに犯人にした」
というようなことを言っていました。
また、被害者の母親は、
「事件発生以来19年も検察から何の連絡もなく、被害者というのはこういうものかと思っていたら、
最近突然呼び出されて、自分のDNA検査された」というようなことを言っていました。

冤罪というどこか不確実なものに思われていたものが、
精度の高いDNA鑑定のおかげで、誰の目にも明らかな検察や警察や裁判所のいい加減さや失態が明らかになり、
今後の犯罪捜査や裁判にとっての大きな転換点になるであろうこの事件が、
『スマイル』というドラマが佳境に入るこの時期に起きたことで、追い風を感じます。

だって、あり得ない・リアリティがないと言われ続けていたのに、
足利事件のおかげで、現実も似たようなものだということを示されましたものね。

そして、菅家さんが刑務所から出てきた直後の記者会見で、
とても健康的な精神状態であることに感銘を受けました。
17年半も無実の罪で、社会から隔絶されて服役していたら、
どんな精神状況になり、人間がどう変わってしまうものか・・・と恐る恐る見たのに、
彼は、警察・検察・裁判所・真犯人に対する強い怒りをはっきり示し、
でも、誠実で優しく、感受性が豊かで感謝する心もあって、
とても素敵な笑顔の人でした。

それは、彼を人間として信じ、支え、彼のために奔走し続けてくれた佐藤弁護士の存在のおかげだと思うのです。
「刑務所の中では、ケンカとかよくあったけど、自分は決してそういうものには加わらなかった」とも言っていましたが、
信じて支えてくれる人がいれば、自分を信じ続ける強さと穏やかさを手に入れることができるのだと思いました。
その逆の例が林で、刑務所の中でさえ暴れて、威嚇して、自分の力を誇示せずにはいられなかった。。。
菅家さんは、刑務所では食べられないお寿司を食べたこともうれしそうに語っていましたね。
ビトにとっての大トロの意味も大きく浮かび上がってきました。

『スマイル』は、足利事件よりも複雑で、しかも裁判員制度まで扱っていますが、
犯罪とそれを裁くことにおける、それぞれの立場の人間の関わり合いという意味で、
現実が根底を支え、後押ししてくれるようになり、
運の強いドラマだなあと思います。

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