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February 22, 2005

東京タワー第1回感想

2005/01/19(Wed) 16:55

あえて、パンフレットも、同年代の方達の感想も読まずに、
初めて見た印象を、時間をおかずにすぐ書きます。

おしつけがましくなく、年代も性別も経験も千差万別な、観客のひとりひとりの想像力に、感想を委ねながらも、
作り手の主張がキチンと伝わってくる、堂々とした日本映画だったと思います。

詩史と透の関係を真ん中にドシンともってきて、
喜美子と耕二の関係を脇にちりばめて、
構成がしっかりしていて、それだけで、安定感があって、心地良いです。

一番共感した言葉は、詩史の夫の、「君は詩史のオモチャだったんだ」です。
まさに、真実をついた的確な表現だと思います。
夫の大きな愛に守られながら、自分の能力を開花させ、なに不自由なく生きているように見えた詩史にとって、
自分を思いつづける20歳も年下の恋人は、音楽や本やあらゆる自分好みのものを与えて、好き勝手にいじれるオモチャだったのでしょう。

そして、一番違和感を感じた言葉は、透の母親の、「18から3年も、あの子の一番美しい時を独占したのね」という言葉です。
同じような年頃の二人の息子を持つ私としては、
こんな客観的な言葉を、しかも10歳のとき離婚してから母子二人で生きてきた母親が言うとは思えないのです。
彼女の反応は、友達にダンナを取られたときの反応のような気がします。
息子はたとえ50、60歳になって、社会的にも立派になっても、
70、80の母親にとっては、可愛い息子でしかないとよく聞きますが、
そうだろうと思います。
それは、母と息子の出会いは、身体の中から始まり、おっぱいをあげ、
病気や学校のこと、あらゆることに心を配り、ほぼ自分と一体のような感覚で一緒に生きてきているのです。
ですから、自分の友達が、息子と3年も関係を続けていたと知ったら、
男女関係としてより、人の息子が欲しかったのだ・・・と思う。
人のオモチャを欲しがるように。。。


愛って、相手の良いところも不都合なところも、すべてひっくるめて受け入れることだから、
透と詩史がどんなに「愛してる」と心底思っていたとしても、
透の一途な気持ちは、私には病的としか思えない。
夫も仕事もすべて捨てて、透を追いかけていった詩史は、
一見、愛を貫いたように見えるけれど、
私には、40を越えた女が、もう一度、新たな人生を生きてみたいという再生の欲求に、透というちょうど手頃な踏み台があっただけ・・・と思える。

ですから、パリでの二人で生きることは、
透が詩史の生の姿を知った時どうなるか?
生活に余裕があり、夫の庇護があったときは、オモチャ遊びも楽しかったけれど、
本当の意味での愛を、詩史と透が共同して築いていくことができるだろうか?

一方耕二は、不道徳だけど、精神的には、いたって健全。
吉田母娘のことでは頭を抱えるし、
可愛い由利ちゃんは失いたくないし、
可哀想な喜美子も喜ばせてあげたい。

透と詩史の間に、愛は見えなかったけれど、
耕二と喜美子の間には、熱い愛のバトルが見える。
この二人のシーンを見ているだけで、子宮がうずく・・・って感じがして、自分でもビックリ。
原作で、身体の相性がいいから付き合っているんだ・・・というような表現があったけど、
映画では、それを言葉じゃなくて、酢豚を燃え上がらせたりすることで的確に表現していて、
映画っていいなあ・・・って、すごく思わされたところ。
そして、喜美子が、別れを言うたびに、それは、「別れたくない」と言っているのがわかって、
「耕二、喜美子の気持ち、わかってやれよ」と言いたくなる。
だけど、喜美子も、素直じゃないんだよね。
夫に愛されたいのに、自分ナシでは生きていけない、愛することを知らない腑抜けな夫を作っている。
愛って、不自由がない満たされた環境では、育ちにくいんだよね。
夫にとっては、なに不自由のない家庭生活で、喜美子の不満に気づいていないんだと思う。
原作では唐突で意味不明に思えたフラメンコが、
喜美子のやり場のない女の情念を鮮やかに表していて、素晴らしい。
でもさ~。それをフラメンコじゃなくて、耕二にぶつけろよ。
ぶつけたら、耕二を壊してしまいそうで、身を引いたのかな~?
でも、こういう、前に出たり、後ろに引いたりしたくなる女の気持ちって、すごくよくわかる。
ラストでは別れたけど、あのままで終るには、二人ともエネルギーが有り余っている。
まだまだ、続きがあるでしょうねえ。。。

耕二は、潤クンが言うように、ホント汚さがよくでていて、素敵!
特に、最初の頃のニットの帽子をかぶって、見上げるところとか、
透の教室にドタドタ入っていくところなんか、
オオ~!と、感心しまくったね。

とりあえず、今日の感想はここまで。


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